木曜荘

ものかきの日記

短編集楠、一段落

物語でも、人物でも、修辞でもなく
ことばの奥にある「なにか」
これを表現したかった
森はそれを詩と呼んでいるわけだけど、呼び方はどうでもよくて
その「なにか」を感じとってくださる読者さまが何人かいらしたので、ひとまず足踏みを終えて
次の道を拓いていこうと思う

自分の発したことばたちが
どういう響きで返ってくるのか
それに耳をすましていたわけだけど
聞こえてくるものはどれも予想をはるかにこえたものばかりで
とても満足している

製本のプロフェッショナルに
「マージンを多くとっていて読みやすい」とのお言葉もいただいた
その余白にも意味をこめているので
これはとってもうれしかった

印刷屋さんの選んでくれた遊び紙も好評だし
これは次にお会いしたら必ず伝えたいほどうれしい
森のために動いてくださった方が誉められるのは、非常にうれしいものなのだと知った

そして表紙に拝借したすばらしい作品
「私の王国」の作者、長野順子先生との出会い
そして感じた震えるほどの共鳴

それらはすべて森ががんばった結果ではなく
師ともお呼びしたいほどのあるかたにいただいたご尽力のおかげだった
ことばでは感謝しきれない

そうして孤独のなかで書きなぐってきたそれらのことばが一冊の本になり、多くのひとと繋がった
続きを書くためにまた独りに戻るけれど
森はもう、自分を孤独とは思わない

関わってくだすったすべてのかたと、手にとってくだすった、読んでくだすったすべてのかたに
心からの感謝をここにお伝えしたい
ありがとうございました

ここからまた次へと歩いていく
どこまでも
どこまでも続いてゆく