木曜荘

ものかきの日記

2022/06/27

昨日はいつもどおりに起きて、ブログを少し書いてまた眠った。つぎに起きたのは十時頃、ひさしぶりの朝寝ですっきり。昼過ぎからプチパリへ。つく頃には汗だくだったが、冷房がじかにあたるカウンターに座ったので汗はすぐにひいて、すこし寒いくらいになった。

そこで水曜荘酒井徳男の随筆『蒐集物語』を読む。よい。とてもよい。やはり大好きだ。装幀もすばらしいし、中身も本当によい。手元にほしいがなかなか売っていないので、こうしてプチパリで読まさせてもらう。いろいろな意味でほんとうに貴重な場所だ、プチパリというところは。

それから、一昨日の大血眼展ですこしお話させてもらった画家のIさんが、昔書いていたという詩を持ってきてくださったので、拝読。とてもおもしろかった。社会というか、外界に対する眼が鋭く、厳しく、でも自然に対する眼差しはやさしく、そのあたりにとても共感できた。どこか突き放すような乾いた言葉の奥に静かな情熱がながれていた。Iさんの絵はすばらしかったけれど詩もよかったので、ずるいな、と思った。

なにかのご縁だと思ったので持参していた拙作『楠』をお渡しした。感想がいただけると嬉しいが、どうだろうか。

 

前にも書いたかもしれないが、自分はいま前作『楠』を読み返すことができない。それはぼくが前進できているからだと思うけれど、二年前に書かれたこの文章たちをなぜか読むことができない。単純に、おもしろくないと感じてしまうからだと思う。

無為の一年とこの一年、あわせて二年の月日をはさんで、ぼくの書くものがすこし変わったからかもしれない。なにがどういうふうに、と考えるとまだはっきりと答えをだすこともできないのだけれど、確実にかわった。だから『楠』を読んでくださった人には、できればぜひ『欅』も読んでほしい。一応連作だし、これでやっとひとつのおわりだから。

そうしてできれば教えてほしい。なにがどう変わったか。ぼくには見えないものを見てくれるはずだから。もうすぐ一回目の印刷が届く。あと数歩で完成。

 

今日も猛暑日になるようだ。気合をいれていかないと夏に負ける。ああ、夏がはじまってしまった。闘いの季節だ。やるしかない。