木曜荘

ものかきの日記

2022/08/12 蕾について

詞華集『蕾』について

 

『楠』『欅』と題した短編集を書き終える前から、書き終えたら次は詞華集を、と思っていた。長いものはもう書く予定もない。ぼくは短いものが好きだから。短いものを書き溜めて一冊に綴じることもとうぜん考えたが、それ以上に「同志と一冊をつくりたい」という大昔からの夢をまず叶えたい、単純にそう思った。

ぼくには尊敬する作家、活動家がいくたりかある。そしてその人達とさまざまなかたちで「繋がっている」。これはとても幸せなことであると思っている。ネットによる恩恵のうち最大のものがこれだとも思う。それを放っておく手はないだろう。

けれど声をかけるには非常に勇気が要った。ぼくごときの本に参加してくれる作家さんなどいるだろうか。結果は全員が参加を快諾してくれたのだが、引っ込み思案の自分としては、最初の声掛けをよく乗り越えることができたなと、今になっても思う。それほど『蕾』への思いが強くあるのだと感じる。それから、この作家さんたちとならいいものになるだろうという確信も。

今回参加してくれる作家さんは、

ゆきひらさぎりさん

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まどいめぐるさん

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雨伽詩音さん

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(この三名はネットで数年前からちょっとずつ交流をしてきた作家さんたち)

それに加えてぼくの先生である帰鳥舎主人さん

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それから飛び入り参加であるLEPETITPARISIENのオーナーJ氏

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それとぼく。あと数名、声をかけたいかたもあったのだが、今回はこの六人を一冊に綴じる。

 

頁無制限、題材も表現方法も自由(一応のモチイフとして「蕾」「蝶」を提案した)

というかたちで、秋冬までを目処に原稿を依頼した。どういった作品ができあがってくるのか、おそらくぼくが世界一楽しみにしている第一の読者であろうと思う。つまり、やはり、ぼくの読みたいものをつくるのだという姿勢に、いささかの変化もない。

製本は、文学フリマで知り合った方に「手製」でお願いしようと思っているが、これはまだこちらが勉強中。今度とある製本所に見学に行き、手製本についていろいろと教わってみようと思っている。時間と手間のかかる手製本なので、多くても五十部ほどになる予定。つくってもらうのはじっさい来年になると思う。資金も貯めなくてはならないし。

それを今後、一年に一冊ずつを目標に作っていけたらと思う。月に一万円ずつでも貯めて、作品を書きためて、まとめる。それを死ぬまで繰り返す。何冊を世に残せるかはわからないけれど、可能な限りやっていきたいと思っている。『蕾』はぼくの人生そのものになると思う。だからぼくの好きな作家さんの作品がそこに並ぶのは、ある意味でとうぜんのことと言えるのだ。ぼくはぼくだけで出来上がっているわけではないのだから。

ぼく自身の載せたいと思っている短編は二作ある。まだ増えるかもしれないけれど。それとは関係なしに、書きたいものを書きたいときに書いていこうと思っている。ネットで発表することはないかもしれない。ネットではあいかわらず日々の切り抜きのようなことばかり書き連ねていくと思う。それはそれで楽しんでいる。

 

まずはこんなところか。いま少しずつ進めている詞華集について、でした。