木曜荘

ものかきの日記

2023/01/24

今日も朝から雨。ひとり置場でのんびりと、同僚たちの出勤を待つ時間が好きだ。ぱらぱら集まってきて、車に乗り込み今日も現場へ向かう。

高木を植えられる箇所がもうない。どこも他の作業が捗っていないのだ。今日は低木の植付けが主な作業になった。

ヒラドツツジ、フイリアオキ、ヤマツツジ、オタフクナンテン、ナリヒラヒイラギナンテン、グミ、ガマズミ、アセビ、ヤマブキなどを混植していく。指示は株数だけ。配置は自由。センスが浮き彫りになる作業だと思った。

高さや色の並びを揃えずに、植栽帯に「リズム」を生み出すのがよいらしい。凝る人はそろぞれの花の色さえ勘案するとのこと。リズムに気を配りながら、枡や支柱をよけて植えつぶしてゆく。日々まったくちがう作業が待っている。これは飽きない。

今の会社にはいって、初めての給料を受け取った。十二年前、出会った頃、ぼくも社長もまだ二十代のあんちゃんだった。それがいまでは給料を受け取っている。感慨深いものがある。この会社でいけるところまで頑張ってみようと、気持ちをあらたにした。

昨夜、製本を担当してくださるかたから、細やかな校正のメールをいただいた。ねぼけたまま返信をしたが、項目がとても多かったので、これは日曜にでも本腰すえてとりかからねばならないと思った。時間をつくれるようにいろいろとととのえておかなくてはいけない。よい本にしたい。

前にも書いていると思うが、ぼくは本当に人に恵まれていると心底おもう。周囲の人々のおかげで、こうして生きていられる。この感謝はいつまでも忘れずにいたい。

さて、今日もこれから勉強。樹木医、絶対にとりたいので、頑張る。

 

2023/01/23

仕事を終えて、筋トレして、明日の作業を図面上に描いて、もう体力はほぼ残っていない。「そこをなんとか」とだましだまし、今日も樹木医の勉強をすこしでもやりたい。なかなかまとまった時間をとれないが、少しずつでも続けることが力になっていくと信じるしかない。

植栽は形になってきたが、あいかわらず外構屋さんや左官屋さんや舗装屋さんとの兼ね合いで作業開始が遅れている。こちらは準備万端なのに作業ができないというのは、なかなかつらい。

毎日が勉強だ。学びは現場のいたるところに転がっている。もちろん出退勤の車の中や、家の中にも。ふとした空白の時間や、散歩の時間にも。気づくことができるかどうか、なのだろう。

今年は学びと挑戦の年になるように努力したいと思う。「蕾」もぼくにとっては挑戦のうちのひとつ。樹木医もそう。ひとつずつ、すこしずつ、積み上げていきたい。

このところ毎日仕事のことしか書けないでいるが、この日々の経験が、のちのぼくに何を書かせるのだろうかと夢想する余裕はある。かろうじて。いまはこの集中を楽しみたいと思う。

 

2023/01/22

今日は休日。

朝はいつもより遅めに起きて、昨夜飲まなかったレモンサワーをプシュッとあける。朝から酒を飲むなんて、ぼくらしくなくてなんだか可笑しかった。ナッツをぽりぽりかじりながら飲む。ジュースみたいなものだ。それからまた眠った。

お昼前に起きていろいろと遊ぶ。それからまた図面とにらめっこ。そのまま勉強をしようと思ったが、どうにもスイッチが入らなかったので、そのままのんびり過ごすことにした。

明日からまた戦うための準備は万端。これから眠るまでのあいだ、また勉強できそうならする。

2023/01/21

また一週間を無事に終えることができた。今年になってから、今日までまったく集中が切れない。無駄だと自分が感じてしまう一日がまだない。まだ、ないだけであって、やがてそういう日がくるだろうが、とりあえず今はそのことがただうれしい。

今年の抱負などといったものは、そういえばまったく決めていなかったが、「挑戦すること」にしようとこの頃思うようになった。苦手なことや、新しいことに、そんなことはいくらでも転がっているので、一生それで遊んでいくことだってできよう。

まずは樹木医、それから高速の運転といったところかな。それから日々に出くわす苦手意識、これの克服。そういうことがいまは楽しくて仕方ない。その気持が、周囲の人にも伝染しているのを、ある会話から知れたのも良かった。「森さんといるとポジティブになれます」これはぼくにとって最高かそれにちかい褒め言葉だ。ありがたい。

転職は正解だったと思う。植木屋は植木屋でも、まるで内容がちがうので転職といってもいいだろう。本当に迷ったけれど、さんざ迷い、決断をした甲斐があったな、と思うのだ。

明日はゆっくりと休んで、また来週も走り抜けたい。

 

2023/01/20

早朝に起きて、図面とにらめっこ。昨日の寝る前もにらめっこ。

頭につめこんで現場にのぞむ、変更だらけで振り回される、それに素早く対処する、また変更をさせられる。そんな日々を繰り返しているが、なかなか楽しい。

毎日、必ずなにかを学んでいる。今日は図面の見方が進歩できた。それから数年ぶりにユンボに乗る。時間もたっぷりあったのでゆっくりと慣らしながらやれたのでよかった。大変勉強になった。

すこし寝不足なので、夕食を食べて少しでも早く眠りたいところだが、どうなるか。

おやすみなさい。

 

2023/01/19

今日も楽しく忙しく働いてきた。

朝から植木が大量に納入。「幹巻き」や剪定などをしたり準備をする。

寝かせたまま剪定し、クレーンで起こして姿を見る。

現場は低い位置に張られた電線など障害がたくさんあり、植え込むのにも一苦労だった。

植え込まれた姿は美しい。植えて育てる植栽はもう過去のものになりつつある。はじめから大きいものを植えるのは本当に大変だが、こうして見ればやはり美しい。やりがいもあるというもの。

明日も続きが待っている。図面とにらめっこしながら眠るとする。二三日は勉強もできないかもしれないが、仕方ない。この現場が済むまでは。

 

2023/01/18

このところ仕事の記録のようなブログが続いているのに、懲りずに読んでくださるかたがいることに感謝しています。ありがとうございます。

今日も今日とて仕事の話しかできそうにない。いまちょっと夢中で仕事する日々が続いている。詞華集「蕾」は製本を担ってくださるかたに原稿をお送りしたので一度お休みに入るし、病気のほうも安定しているので、自然そうなるのだろうと思う。

現場は昨日の続き。植え込んだ樹木に支柱を立てていく。鳥居支柱や、竹の八掛支柱と呼ばれるもの。まだ慣れていないという仲間と一緒にどんどん設置していく。

ぼくもそこまでやってきたわけでもないし、この作業自体、庭をやっているあいだは遠ざかっていたものでもあるので、記憶のひきだしの奥からがさがさ引きずり出しながら、教えられることを教えたりしつつ作業を進めた。相棒はいろいろ教えてくれてありがとうと言ったが、こちらの台詞だと思った。教えることは、教えられること以上に自分のためになるのだから。

現場はまだまだ職人がごったがえしていて、右往左往といってもいいほど。設計にもやや無理が多いので、ツケがまわってくる植木屋の作業は、つくりたい理想のかたちに完全にはできないことが多い。状況に合わせてかたちを変えながらなんとか作業を進めた。イレギュラーも、それはそれで楽しいのだ。経験になるから。

帰っていつものトレーニング。今日はすこしだけ早く帰れたので、溜めこんでいた動画を観て、友人ってなんだろうなと少しだけ考えた。ぼくはいわゆる「友人」と呼べるような人間関係をほとんど持たないと思っているが、それ以上に大切な関係を多く持っていると感じる。師のように思うひと、同志のように思うひと、さまざま。ぼくはとても人に恵まれていると、それだけははっきりと思う。べつにそれを友人というくくりに無理に嵌めこなくてもいいや、と思っている。とても大切な関係だから、きっとそのほうがいいんじゃないかなって。

「蕾」にしてもそうだ。ぼくの大切に思うひとのうちのいくたりかに声をかけさせてもらって、原稿を集めた。そういう意味のある本でもあるのだ。読む人がどう思うかはまったく関係なくて、いまのぼくの持っているすべてがそこに綴じられるのだ。ぼくの大切なものが、そこにぎゅっとつめこまれているのだ。おかげで仕事にも精が出る。次の本の費用をはやく貯めたいからだ。

ということで、勉強の時間。今日もがんばります。