木曜荘

ものかきの日記

2021-01-01から1年間の記事一覧

10月の読書

「逆境に強い心のつくり方」 「最強のリラックス」 北川貴英 ロシア軍特殊部隊から生まれたリラックス方法「システマ」 ストライクと呼ばれる打撃や、武器術などもあるけれど、 まずは呼吸法だし、これがすべてなのではないかと思われる。 武術というのは「…

2021/11/11

朝起きて、どうしても外出する気分になれなかった 台所の換気扇のしたで頭をかかえて煙草を吸っていた 妻が起きてきた 起きてそうそう申しわけないのだけど、通院に付き添ってくれないか どうしてもひとりで行ける気がしないんだ 弱音を吐いたのは久しぶりだ…

9月の読書

田山花袋 「蒲団」 鏡花再読 「外科室」など 読書どころではなかった。 食べるのにも困るほど仕事のない日が続いた、そのあいだは気が気でなくなにも読めなかった。忙しくなってきて、ようやくポツポツと読んだ。不思議なもので、時間のないとき、限られてい…

8月の読書

泉鏡花 「天守物語」「夜叉ケ池」 樋口一葉 「にごりえ」「十三夜」「たけくらべ」「大つごもり」 「ゆく雲」「うつせみ」「われから」「わかれ道」 徳田秋声 「縮図」 川崎長太郎 「鳳仙花」 本来なら繁忙期にもかかわらず仕事がすくなく、そのぶん時間はあ…

脳内散歩

もっとすなおに、もっと自由に、と思う。 文体の習得だの訓練だのと聞いたことがあるけれど、そうしたときは、はぁそんなもんでしょうか、ほどに思っていたものだった。今思ってみると、文体などというものは、逃げようとしても逃げ切れぬ、おのれの影法師の…

予定は未定

昨年、「楠」を上梓した。 親しい人に配り、あとは手元に持っておこうと五十部ほど刷る予定だったけれど、色々な方の助言をうけて、百部刷った。ネット上で何部か売れたのは予想外だったけれど、それはそれで嬉しいものだった。 形になり、何度か読み返した…

ちょっとした思い出

書店であんまり安く売っていたので迷わず買った「外村繁 川崎長太郎集」をしばらく読んでいた。外村「澪標」「落日の光景」、川崎「鳳仙花」など。読んでいてつくづく思ったのは、自分が書きたいものはいわゆる「私小説」ではないな、ということ。 …そもそも…

7月の読書

泉鏡花 「女仙前記」「きぬぎぬ川」「北国空」 「薬草取」「国貞ゑがく」「朱日記」 外村繁 「澪標」「落日の光景」 徳田秋声 「和解」「ある夜」「絶望」 前田鉄之助 詩集「花と人」(再) 三島由紀夫 「太陽と鉄」(再) 7月は仕事がすこし増え、読書の時…

このごろ

この頃、文章を書かなくなった。焦りもない。締切もないのだし、ゆっくりやればいいと思っている。年内にある程度かたちになって、来年にでも上梓できれば充分。 どのみち、口座には本を作るだけの余裕がない。ウイルス騒ぎのせいというより、出したり引っ込…

鳥籠に少女を飼う

次に書きたいものは、蕾、と題名だけ決まっている。中身はまだ書いていない。いくつかの断片が箱のなかに断片のままほうりこんである。その前に書きたいものがあるので、そっちが形になったら、それらの欠片を繋げていくことになるのだろう。 ぼくは物心つい…

ひとりの告別式

死んでからも四十九日の旅があるのかと思うと、そう考えてみただけで草臥れてしまう。 真っ白い脚絆に手甲、添えられた孫杖。棺桶におさめられた祖母の痩せほそった体を見下ろしていたぼくも、いつか必ず死ぬ。死をおそろしく感じるのは、たいてい生き生きと…

6月の読書

梁塵秘抄 …「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけむ 遊ぶ子どもの声きけば」など、300番台の歌、数点にとくに心ひかれた… 寺山修司 毛皮のマリー ☆血はたったまま眠っている など戯曲数点 …月末には修司の義理の弟、寺山偏陸さんを囲む会に参加し…

青い鳥より赤い鳥

…「私は、これまで世の中に出ている、多くのお伽噺に対して、いつも少なからぬ不平を感じていた。ただ話がされているというのみで、いろいろの意味の下品なものが少なくない。単に文章から言っても、ずいぶん投げやりな俗悪なものが多い。この点だけでも子供…

自戒、いまこれが要る

このところ頭がよくはたらかず、けだるさが重くまとわりついていた。 たとえば仕事のまえ。鬱の症状とはちがう、ただただ働くということがいやでたまらないような感じになる。c(`Д´と⌒c)つ彡 ヤダヤダ…なんといおうか、歯医者にいきたくないとごねる子どもの…

あなたへ

いまは生きているだけでいい、と伝えたい。 かならず良い日が訪れると伝えたい。 それを祈っていることを伝えたい。 独りじゃないと伝えたい。 焦らず、ゆっくり休むということは、ときにとてもむつかしい。 病人でいることにも疲れることがある。 病床で呻…

十六歳くらい、ものを書きはじめたころ、一気呵成に書き上げてしまわないと終わりまで書けないというくせ(?)があった。感情のみで書きなぐっていたので、翌日になってしまえばそれが「つながらない」のだった。 荒削りに、勢いで、力強く、書けるだけ一気…

生活

通院の日は、なにがあったわけでもなく、ふさぎこむことが多いけれど、今日は感情の動きはとくになかった。 習慣の改善が、生活の隅々までいきわたっているのを感じる。 いずれまた鬱がきて、積み上げたすべてをひっくりかえされることもあるかもしれないけ…

詩について

詩を書きたいと思わないわけではないけど、ぼくの書く詩は、いまの文章界隈において詩として受け入れられないとわかっているから、「詩を書きたいとは思わない」。 ではどういうものが詩なのかというと、わからない。 詩的な文章というものも、いまの商業作…

食べる楽しみ

今日は雨のために仕事を休んで家にいる。晴耕雨読というと格好もつくが、単に雨ではできない作業だったというだけ。それでもこうして本を読んだり、家でできるトレーニングをしたり、なにやらものを思ってみたりする時間のとれることは、雨の日の大きな恩恵…

曳舟の夜

先日の記事で、「ともだちは要らない、仲間がいるから」といった内容の日記を書いた。先日のとある会合のあと、同じような言葉を人から聞けた。 昼は暑かったけれど、夜になれば半袖ではすこしさむいほどになった、ぼくは腕をさすりながら、走っていく明かり…

自分

「自分」という言葉をあたりまえに使うけれど、ぼくは自分について実はよくわかっていない。自分というものについて考えると目の前がうっすら暗くなって、空が曇って、なんだか怠くなって、ペリペリと背中のほうからなにかが剥がれていく感覚に襲われて、気…

鎧とあそび

今日は昼からの仕事なので、朝から筆をとる。 朝食はバナナ、減量中なので基本的にずっと空腹でいるけれど、そのぶん減量食が美味いこと美味いこと。 書くことも読むことも食事に似ていて、バランスをとりながら、常にすこし空腹にしておくといいように思わ…

5/05 減量やらSNSやら

三月から四月まで仕事の量も極端に減り、鬱もしつこく居座っていたために、心身ともに贅肉を蓄えた。 今月は連休明けからまぁまぁ仕事があるし、とりあえず鬱のかげも薄くなったので、すっかり重くなってしまった体とこころの減量をはじめた、それが一週間ほ…

「欅」ひとつめ

短編集「楠」につづいていま書いているのだけど、これらをひとまとめに「欅」として上梓する予定。 「四話」ほど書いたところで鬱がきて、しばらく鍋の中へほうっておいた。正気にかえってから読み返すと、言葉がとても窮屈そうに並んでいた。全部、書き直す…

書いて話して

今日も仕事はおやすみ。 休みの日にずっと家にいたりすると、笑われたりあまつさえ馬鹿にされたりすることもあったけど、何を言ってるのさ、こっちは家にいられる喜びを噛みしめるようにして過ごしているんだ、と思っていたし、今日もそんなわけで読んだり書…

05/03 書くだけ

生活の質、QOLとか言うのも聞くけど、そういうものの「向上」なんてぼくは知らないけど、いつだって、正気でいられるあいだはいつだって、ぜんぶがぜんぶ、といっていいくらい、書くことにみんな向かってる。それは向上とか向下とかじゃなくて。 …向下は禅の…

芋をどうやって食べるかなんて自分で決めろ

小説に限らず、映画や舞台なんかでもそうなんだけど、「添加物」みたようなものを作品から感覚的にとらえてるところがぼくにはあって…たとえば寺山修司の映画作品なんかは、添加物もりもりで、色鮮やかで、見た目もいいし、味もはっきりしてる そういうのは…

作家

呼吸をするほどあたりまえに、自分は作家なのだと思う 「えがく」ことを志向するいきもの低俗とか高尚とかどうでもいいし 玄人だの素人だのもどうでもいいし ジャンルとか売れた冊数とか 評価とか栄誉とか知名度とか将来性とか みんなどうでもいいえがくこと…

日記4/26

ものを書いていて「説明を省く」ということが、ぼくにとっては当たり前のように目指すべきものなんだけど、人によってはそれは怠慢にも見えるのだろうな、と思った。 これは怠慢ではなくむしろもっとも苦心していることで。別に言い訳するつもりもないし、や…