次に書きたいものは、蕾、と題名だけ決まっている。中身はまだ書いていない。いくつかの断片が箱のなかに断片のままほうりこんである。その前に書きたいものがあるので、そっちが形になったら、それらの欠片を繋げていくことになるのだろう。 ぼくは物心つい…
死んでからも四十九日の旅があるのかと思うと、そう考えてみただけで草臥れてしまう。 真っ白い脚絆に手甲、添えられた孫杖。棺桶におさめられた祖母の痩せほそった体を見下ろしていたぼくも、いつか必ず死ぬ。死をおそろしく感じるのは、たいてい生き生きと…
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