木曜荘

ものかきの日記

2022/10/25

今日も終日、移籍について考えていた。移籍はつまり廃業であり、毎月の収入が半減するということでもある。そうしてまで、移籍する必要はあるのだろうか。金とやりがいのあいだで完全な堂々巡りである。疲弊した。

現場は古い椎の木二本と、中木数本。すぐにおわる。施主さんから来年の予定について聞かれる。来年は廃業しているかもしれないという話を少しした。驚いていた。やはり愚策なのだろうかと頭をよぎる。

あっちに傾いたかと思うと、ひょんなことから今度はこっちに傾く。天秤はつりあうことなく、右に傾き、左に傾く。ほんの些細なことで。答えが出せない。

朝からの寒気も、木の上にいればひとしお。おまけにこんなことについて思考を渋滞させていれば、こころまでうすら寒い。風が冷たく、どこかよそよそしく感じられた。

妻は「あなたの思うように」としか言わない。動くだけの材料がまだ足りない。にも関わらず、時間はずっと先へ進んでいってしまい、年内に決着をつけたいぼくは、ただただ焦るしかないのだった。

「早く来てください」と言ってくれる人がいるのはほんとうに幸いなことだし、そこで貢献したいという思いもある。誰かの役に立てるということは幸せだから。廃業届などの手続きは煩わしいし、収入が減るというのはやはり大きいが。

うーーーーーーーむ…。まだまだ悩みそうだ。