木曜荘

ものかきの日記

もう詩は書かないなんてなんどもなぞって

そうしてまたこっそり試みてはこころ折って

隣から聞こえる歌がきれい

自分の声はどんなだっけってわからなくなって

目はどこにあるんだっけ探しにいくふりだけ残して

荒ぶっても気ちがってもみんな言い訳なんだって

言い訳ばかりなんどもなんども

飽きないのじぶんに

ぐるぐるおなじところをまわりつづけてなんども

聞こえた声をつかんで抱いて

ずたずたになった舌がもつれたって歌って

聞こえる

だからもう言い訳はよして

はてまで歩くと決めたのだったらそれは棄てて

歩いて

黙って

隣から聞こえる歌がきれい

もじを褒められるのは命の肯定ですって

それよりもふかくちゃんと抱いてあげて

隣から聞こえる歌がきれいだから

ぼくもほらちゃんと歌って下手でいいから

ちゃんと歌って