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もう詩は書かないなんてなんどもなぞって
そうしてまたこっそり試みてはこころ折って
隣から聞こえる歌がきれい
自分の声はどんなだっけってわからなくなって
目はどこにあるんだっけ探しにいくふりだけ残して
荒ぶっても気ちがってもみんな言い訳なんだって
言い訳ばかりなんどもなんども
飽きないのじぶんに
ぐるぐるおなじところをまわりつづけてなんども
聞こえた声をつかんで抱いて
ずたずたになった舌がもつれたって歌って
聞こえる
だからもう言い訳はよして
はてまで歩くと決めたのだったらそれは棄てて
歩いて
黙って
隣から聞こえる歌がきれい
もじを褒められるのは命の肯定ですって
それよりもふかくちゃんと抱いてあげて
隣から聞こえる歌がきれいだから
ぼくもほらちゃんと歌って下手でいいから
ちゃんと歌って