木曜荘

ものかきの日記

2023/01/13

仕事一色の日々を過ごしている。悪くはない。毎日刺激的ではある。

今日も東雲で、ひたすら高木剪定。梢にちかくまで登りこむので、わずかな動作でおおきく動揺する。怖いが、のりこえれば楽しくもある。ひたすら働いている。

アキニレの翼果がおもしろいので写真を撮ったのだがピントがボケてしまった。残念だけどせっかく撮ってきたので載せておく。翼みたようなものをつくり、そこに種を包んで遠くに飛ばす。本当に樹木は賢いと思う。

アキニレの幹。樹皮が剥落するタイプ。似たような樹皮では街路樹のプラタナスなどが有名。仲間が「病気ですかね」と言うので、むしろぞの逆だろう、育ちがいい証拠だと話す。樹皮が剥がれるのは、外へ成長して大きくなっている証。逆に苔などがはってしまうような樹木は、その成長が弱まっているものと判断できるらしい。

人間も、というと大袈裟になるかもしれないが、少なくとも自分はそうだと感じる。成長していくとき、ぼくは古いぼくが外側でポロポロと剥がれていく感覚をおぼえる。別けてこのごろはそう思うことが多くある。内心から生まれた新しいぼくが、そこしずつ古い殻を破っていくのだ。

ぼくはぼくの種を、どこまで飛ばすことができるだろう。いまはそのための翼をつくっている、そんな時期なのだろうと考えさせられた。