木曜荘

ものかきの日記

2023/03/07

今日は虎ノ門。再開発地区の大規模な工事現場の片隅で草木を植える。

低木も地被も、はやりの混植。こちらの好きに配置してよいぶん、センスがあからさまになる仕事だ。自分はデザイナーなのだ、そう言い聞かせながら配置する。自然と口元がゆるむ。ひとりごとを呟きながらにやにやしているその姿は、想像するにとても滑稽なものだろう。楽しかった。

現場を早めに出て、資材をあちこちで買いながら置場へもどる。いまは夜勤組も並行しているため、いつもの賑やかさがないのがさみしかった。

できることがひとつずつ増えているのがわかる。それはとても愉しいことだ。

芥川賞を受賞した作品が、植木屋を主人公したものだということを、先日プチパリの主人から聞いた。珍しいな、と思った。すこしだけ読んでみようかな、とも。それを読んだ感想として、LPP主人はぼくの作品をもっと広く知らせたいと言ってくれた。勿体ない言葉だと思った。

ぼくは賞とか商業出版とかには興味がないので、ただ書くだけでいい。たまに読んでもらえて、さらにたまに感想をいただけたらそれで充分。書き、残すことに意味があるのだと思っている。次に書くものは、きっとよいものになる。それしか考えていない。