木曜荘

ものかきの日記

2023/04/05

4日19時から、5日3時まで夜勤。

現場は日暮里駅近くの街路。ガードフェンス新設にともなう植栽工事、ハナミズキを植える

まんまるのお月様のしたでパタパタと走り回る。眠気や疲れが心配だったが、作業がはじまってしまえばどちらも感じず、集中してやりとげられた。昼も夜もかわらない。むしろ通行人や車両がすくなく、やりやすささえ感じた。

明けて日勤はまた樹木葬の予定だったが、相棒から「絶対に休んでください」と五寸釘を刺されてしまったので、大人しく家に帰る。軽く腹に入れて、シャワーを浴びる。疲れはほとんど感じていなくて、脳内麻薬の充満しているのを感じた。

仮眠をとって、朝、相棒に電話をしてもろもろ謝る。現場はなんとかなるからゆっくり休んでくれと言われる。お言葉に甘えて、朝食をしっかりとってから眠る。12時間ほど眠ったか。夕方、用事をかたづけるために外出すると、そこでやっと疲れをおぼえた。ずっしりと重たい疲労だった。一日通しで働けるほどの体力は残っているが、その疲れを一日で消すほどの若さはないのか、と感じた。

『蕾』を三冊、投函した。感想を聞けるのがいまから楽しみだ。こういう楽しみがあるので、ぼくは仕事で承認欲求をみたす必要がない。ただ前を向いて、必要なことをなし、積み上げていくだけなのだが、若い同僚たちはそうでもないことが最近わかった。かつてのぼくにも身に覚えのあることだし、仕方ないとも思うが、それはあまりよい結果を生まないことが多いとも思う。

やはり私生活の充実は大切だと思う。修身、斉家、治国、平天下と「大学」にあるが、治国といえば大げさだろうけれど、これを仕事に置き換えるとわかりやすいと思う。平天下というのは、文字通りの天下であり、これは政治や宗教にも結びつけやすいが、ぼくはそれぞれのこころの平穏ととらえている。天下というのは、所詮身の回りのことに過ぎないと考えるからだ。ひとはみな井の中の蛙だ。大海を想像できるかできないかは人によるだろうけれど。

まず自分のやるべきことをやる、それから私生活をととのえる。そうしてはじめて仕事で役に立つようになれて、それを積み上げて、おのずとこころを平かにすることができるのだと思うのだ。

そういう話をする機会は増えていくだろう。若者たちと仕事をしていくなかで、いろいろなことを教える場面が増えているから。それは同時に、ぼく自身への教育にもなっている。ひとつの会社を治めることを、治国といっても大げさではあるまい。そう信じている。