木曜荘

ものかきの日記

創作

青い鳥より赤い鳥

…「私は、これまで世の中に出ている、多くのお伽噺に対して、いつも少なからぬ不平を感じていた。ただ話がされているというのみで、いろいろの意味の下品なものが少なくない。単に文章から言っても、ずいぶん投げやりな俗悪なものが多い。この点だけでも子供…

十六歳くらい、ものを書きはじめたころ、一気呵成に書き上げてしまわないと終わりまで書けないというくせ(?)があった。感情のみで書きなぐっていたので、翌日になってしまえばそれが「つながらない」のだった。 荒削りに、勢いで、力強く、書けるだけ一気…

詩について

詩を書きたいと思わないわけではないけど、ぼくの書く詩は、いまの文章界隈において詩として受け入れられないとわかっているから、「詩を書きたいとは思わない」。 ではどういうものが詩なのかというと、わからない。 詩的な文章というものも、いまの商業作…

曳舟の夜

先日の記事で、「ともだちは要らない、仲間がいるから」といった内容の日記を書いた。先日のとある会合のあと、同じような言葉を人から聞けた。 昼は暑かったけれど、夜になれば半袖ではすこしさむいほどになった、ぼくは腕をさすりながら、走っていく明かり…

「欅」ひとつめ

短編集「楠」につづいていま書いているのだけど、これらをひとまとめに「欅」として上梓する予定。 「四話」ほど書いたところで鬱がきて、しばらく鍋の中へほうっておいた。正気にかえってから読み返すと、言葉がとても窮屈そうに並んでいた。全部、書き直す…

短編集楠、一段落

物語でも、人物でも、修辞でもなく ことばの奥にある「なにか」 これを表現したかった 森はそれを詩と呼んでいるわけだけど、呼び方はどうでもよくて その「なにか」を感じとってくださる読者さまが何人かいらしたので、ひとまず足踏みを終えて 次の道を拓い…