木曜荘

ものかきの日記

2022/05/24

精神的に疲れきっていたのか、二十時前に寝てしまったらしく、三時に目がさめ寝つけないでいる。従兄の訃報から一日たったが、昨日は仕事にもまったく身が入らなかった。8時間働いたとは思えない。気がつけば仕事は終わっており、帰りの車中にいた。風がここちよい一日であったという記憶しかない。何かを考えていたわけでもない。ただ無心に草を刈り、それを片づけてをくりかえしていた。次から次へとやることがあり、何も考えずにいられたとも言える。

帰宅すれば書類の山、労災の支払い、税理士の支払い、香典の準備、またどんどんと製本が遠のいてゆく。なんだか空虚な気持ちになることを抑えられない。いくら働いても金はうまく貯まってゆかない。せめて出費をおさえようと禁煙を試みるも、これまた依然としてうまくゆかず、無力感をおぼえる。

作品は一円もなくったって書けるけれど、本にするにはどうしても金が要る。これほど金をほしいとおもったことはこれまでの人生でついぞなかった、あたらしい感情に翻弄されている。金がほしい。その一心で働いている。

いまはひたすら、払うものを払って、残った金でつましく暮らして、毎日ちょっとでも稼いで、本の夢を見続けるしかない。焦らずにじっくりとやれたらそれがいちばんよいのだろうけれど、「欅」は完成してしまった。完成してしまったものをいつまでも本にできずに持て余しているのは、なかなかのストレス。本にするために書いたのに。

取引先にだまされた自分が悪いのだけど、昨年一年の稼ぎのわるさをほんとうに悔やんでいる。とはいえ、いまさらそんなことを言ったところでどうにもならない。なんでも勉強だと思えばいい、いろいろ学びもあったし、それはそれでよかったのだろう。そう思わないとやっていけない。

ここまで書いてまだ四時。眠れそうにないので、「蝶」についてごそごそやってみよう。