木曜荘

ものかきの日記

2022/08/02

東京は38℃まであがったらしい。シャツはもとより、ズボンから靴下、地下足袋まで汗でぐっしょり。まるで「池に落ちた人」といったような姿。もしくは「服を着たまま間違えてシャワーを浴びてしまった人」かもしれない。ただの植木屋です。

帰って風呂に入り、洗濯機を回しても、払いきれない汗のにおい。スマホカバーさえ汗を吸い込んでいるようだ。ちょっとにおう…気がする。

氷をぱんぱんに詰めた大きめの水筒に、その子供のようなちいさな水筒をもっていく。現場が動き出す前に、大きいほうから小さいほうへ、水を入れかえる。お尻のポケットにそれを突っ込んで作業する。現場はあまりにも広く、水筒のある車までの往復さえつらいので、思いついたやり方だったけど、これがよい。気に入ってる。植木屋十二年目ほどだがやっと気づいた。真夏の広大な現場はこれまでにいくつもあったけれど、なぜ今までこれに気づかなかったのかと、すこし悔やまれる。車の近くを通るときには小さいほうをまた満たしておく、その作業がなんだかすき。

水分補給をめんどうだからと我慢してしまうと、ほんとうにそのまま倒れてしまいかねない、危うい暑さが続いている。ぼくの大切な人も、そうでない人も、無事にこの夏を乗り切れるといい。祈っている。

 

風呂に上がってすこし涼んでから、いつもの減量食をつくる。昨日から再開した。沼シリーズの「セメント」改良版。おいしい。8月はこれでいこうと思っている。少々痩せたほうがいい。

それから横になってこれを書いている。もう眠い。十八時だ、眠いわけないのだが、暑さのなか働いてるとこうなる。なんだか眠くなるのだ。

 

『欅』の感想がぽつぽつと届きだして、とてもうれしい。幸せだと感じる。ありがたいことだ。読んで頂いて、そのうえに感想までもらえるなんて。そんなたいそうなものを書いているわけでもないのにね。ぼくはとても恵まれていると感じる。

植木屋の仲間で、ふだん本など読まないけれどぜひ読んでみたいというので『楠』を渡した人にも、今日『欅』を手渡してきた。植木屋目線の感想というのも新鮮だったので、またなにかしら頂けたら、今後の糧にできそうだけど、果たして最後まで読めるかな。読んでくれればいいな。

 

セメントの炊きあがるまで起きていられるだろうか。明日も非常に暑くなるらしいので、なんとか食べてから寝たいところではあるけど、このまま寝てしまったら快いだろうなぁとも思う。うとうと…。