木曜荘

ものかきの日記

2022/09/29

悩みのない日なんてないかも知れないけれど、それが表立って目立たない日々は幸福だ。なにも考えず、その日その日を懸命に生きることができる。ぼくがいま考えているのは十年後。これは計画とかそういったものなのか、はたまた杞憂の一言で片付くもので、無駄にあれこれ悩んでいるだけなのか、わからない。

独立、一人親方(変な言葉)、と言ってみても、結局仕事というのは人と人との関わりだ。自分が本当に一人でできる仕事は、執筆ただひとつなのかもしれない。四十歳まであと九ヶ月。それまでは目一杯悩もう。いいじゃないか、そういう時期があったって。

 

昼はまだ暑い。汗をぼたぼた流して外で働くことは嫌いじゃない。どちらかというと好きだと思う。現場で行う作業はたいてい嫌いじゃない。無理だろこれ、とか思うことはあるけれど、この作業嫌いだなぁというようなことはあまりない。思い当たらない。

でも現場まで行くのは車。運転は嫌いじゃない。でも新しい道が苦手だし、高速はパニックになる。あと他社の車、リースの車は運転したくない。昔なにかあったというわけでもないけれど、自分の車で仕事をし続けているうちにそうなってしまった。

それらが、この業界にいるためには致命的だと思うことが多くある。克服しようという努力もさんざんしたけれど、なかなか改善されない。できないものはできないのだと思う。自分の車、自分の道具だけをつかって、自分の現場だけで食べることができてたコロナ前を懐かしくおもいだす。あの頃はよかったなんて言葉、使いたくはないのだけれど、気を抜くとため息のようにそれがこぼれてしまう。

いいことばかりじゃない。そんなことはこれまでの半生でいやというほど思い知っている。生きているかぎり苦しいことだらけだ。だからほんのひとときの楽しい時間に巡り会えたときにさいわいを感じるのであって、苦しみのない人生なんてないしあったとしたらそれはとても味気ない、そんなことはわかってる。わかってはいても、ぐずぐず悩んでしまうこの日々はつらい。

明日は通院。症状はまったく出ていないので、医師に伝えるべきことはない。上に書いたようなことは人生相談のようなものの範疇なので、診察には不要だろう。話すべき相手は医師ではない。誰だろう。友人?人生の先輩?いやたぶん自分だろう。