木曜荘

ものかきの日記

2022/11/05

今朝をふりかえって、何していたっけとなる程度に、ぼんやりと生きている。

今日は常連さんの庭の手入れだった。今年で最後になることは告げずに、「またよろしくお願いします〜」と笑顔で現場をあとにした。うすらさむい笑顔もあったものだ。能面のようなものだろう。裏側には「営業中」と書かれた能面。棄ててしまいたい。

帰ってからずっと、ひとつの漫画作品を読みふけっていた。Twitterでフォローしている作家さんがおすすめしていたもので、ちょっと読んですぐ気に入ったので、一話から読んだ。一言であらわせば「すごい」だ。それ以上はなにも言えないので、時間と興味があれば読んでみてほしい。

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創作についてや、病について、作者の解釈を深く表現されていて、幾度となくうなずいたりした。共感というと陳腐になるが、むずむずと恥ずかしいくらいの共感をおぼえたのは本当だ。ぼくは矢晴に感情移入して読んでいた。なんというか、甘いものと辛いものを同時に食べたような感じ。甘さも辛さもそのままに味わいつつ、味覚はすこしずつ混乱していった。これは詩だな、とも思った。すばらしい漫画だ。続きも追っていこうと思う。

うっすらお誘いのあった墨田区の盆踊りには行けず、義母の誕生日を祝いにもいけず、鬱だの創作だの仕事だの選択だのいろいろとひとりで考え込んでいた。

腹が減ったので、夕食を買いに行く。もっと寒くてもいいのにと思いながら、まだ明るい夜をひとり歩く。

二十日には文学フリマがある。休みはとってあるけれど、行けるかどうかは怪しい。このところあまり元気が出ないのだ。無理せず、行けるようだったら行こうと思う。きっと楽しいから。

新作はまだまだ道の途中なので、前作『欅』をもって飛び入りで参加することになった。ブースに張りつくかどうかはわからないけれど、お時間あればぜひお越しください。豊泉朝子さんのブースなので、それだけでも一見の価値があるけれど、そこにLePetitParisienのとんでもない書籍が参加、それから劇朗読の詩人ルネさんの作品集もおもしろいのでぜひ。ぼくはあくまでもついでの参加です。

次の本か…。そろそろ集中して取り組まないといけないな。まず書き終えなければ。書き「終える」というのは本当にむつかしいものだな。いつまでも不満だし、いつまでも不服だ。もっとよいものが書けるはずと思ううちは、原稿は手ばなしても筆を離せぬ。原稿もぼくを待っているだろうか。もう待ち合わせ場所にもいないかもしれないぞ。