木曜荘

ものかきの日記

2023/04/08

今日も樹木葬工事。気の合う仲間と三人で、よけいなストレスなしで施工に集中できるよい時間。

御影石の外柵は、ぱんぱんに詰まっていてこれでもかというほどに重い。

ぶっ壊れてしまった腰と肘をうまくかばいながら、あるいは騙しながら、すすめていった。工程はいまのところ順調。職長のメモ帳には文字がびっしり。これぞ現場仕事だという感じがして気持ちがいい。

 

帰宅して、急いで支度。押上文庫にて、相棒ともうひとりの大切な仲間と三人で二時間ほど話す。

ぼくたちは今回のごたごたからもう引き上げてしまっているけれど、もうひとりはまだその渦中にあって、相当のストレスを受けていたようで、愚痴を聞く会になってしまったのがすこし残念だったが、うまい酒肴を堪能できたので、また来週からもがんばれそうだ。

その愚痴のなかでも、一番聞いていてげんなりしたのは、頑張っていない人間の口からでた芯のない言葉で「森さんとHさん(相棒)とは一緒にしないほうがいい」といったものだった。それは先日社長からも直接言われているし、不服だったので細かく話をうかがったことだ。社長の真意を聞いてぼくは納得できたが、その意味も把握せずに、表面だけでおもしろがって吹聴している厄介なこものがひとりいるのだった。

相棒とぼくの仲が良いのは、絆によるものだ。ふたりでこれまで、なんども大きな山を超えてきたのだ。他の誰の手も借りずに。そしてなんども議論したし、お互いの意見をすりあわせて共通の認識や言語を獲得してきたのだ。そこにはよそからは見えない細工の苦労が存在しているのだ。それもわからない、想像さえすることのない者が、陰でそういうことを言っているのだから、苦笑いするよりほかない。けれどこれが人間関係だ。そういうものだとさっさと見切りをつけて、ぼくらは仕事に集中するよりほかない。そんなやつ、たたいたって仕方ない。なにもわかりっこないだろうから。

よい会社だとはいまでも思う。ただこうもじめじめと陰で暗躍するものの多くては、どうもつまらないという気もしてくる。辞めてやろうかしら、とさえ思う時がある。いつ辞めたっていいのだ。すぐに再就職してみせる。そのくらいの覚悟がないと、やっていけない。

そんな話を聞きながらだったので、酒に悪いことをしてしまった。もっと気持ちよく飲んであげなくてはいけない。ぼくは社長になんといわれようと、相棒を変える気はない。たとえ編成でばらばらになることがあっても、そういうものは変わらないものだと思っているから。精神的なものなんだよ、立場とかそんなものは犬に食われろ。