木曜荘

ものかきの日記

05/29文フリ、プチパリ

昨日はぼくの休日には珍しく、十二時間ほど外にいた。

朝いつもどおりに起きて、すこし書いて、散髪に行き、その足で平和島へむかった。文学フリマ会場についたのは開場一時間前だったが、すでに人であふれていた。その時刻はまだ、大きな荷物をかかえた出店者のほうが多かったかもしれない。なんともいえない雰囲気、祭りの前のような興奮をはらんだ静寂にみちていた。

入場の行列は蛇のようにながく繋がっていた。そこに早めに並んでおいたからか、思っていたよりはスムーズに入場できた。今回は事前にカタログを読み込む時間があったので、一周目は気になるところをまわった。そこで気になったところを二周目でまわってみた。結果、知り合いの主催・参加しているアンソロジーを三冊、句集、歌集、手製本など計六冊を買った。見るだけでも色々とためになった。

とくに手製本。今後つくりたいと思っている詞華集、これも手製でいくか、やったことないしやり方もまるでわからないけど、とか思っていたところだったので、大変刺激になった。手先が不器用なので、ぼくがやったら膨大な時間を溶かしてしまいそうだけれど…。でもたのしいかもしれない。

 

二時間ほど滞在して充分にたのしみ、重くなった鞄をかかえてプチパリへ。ふじのき公園でサンドイッチを食べていると汗がじわり。珍しく人もすくなかったので、オーナーとゆっくり話せた。オーナーの待望の本がもうそろそろできあがるらしく、七月にはその記念のイベントも予定しているとのことで、話を聞いていてかなり高揚した。ぼくには難しい内容になってそうだから、イベントの際にいろいろと細かく解説をもらえればきちんと読み込める気がするので、そういう意味でもとてもいいイベントになるだろうと思った。

「欅」の製本資金が足りなくて出せずにいる話をすると、貸してくれるという人がお二人いたのには笑った。お金は借りない主義なのでなんとか節約して捻出しようとはおもっているけれど、とてもありがたい話ではあった。がんばって稼ごう、と改めて思った。

その次につくりたいと思って動き始めている詞華集(蝶、あるいは蕾)の話もした。先生にはまっさきに原稿をお願いしてあることを話す。オーナーもひとつ書いてくれるというので、なんとなくのテーマというかモチイフを伝えた。どういうものになるだろう、本当にわくわくしている。あとはSNSで知り合った方々にお誘いメールを送っていきたいところだけれど、やはりせめて資金のあてだけでもできてからにしたくなる。原稿を依頼しておきながら作れませんでしたという事態になることだけは避けたい。準備が大事…。とはいえ、とうぶん先のことになるだろうから、お話だけでも先にさせていただこうかな。まだまだ考え中。悩んでいることさえ今はたのしい。

そのあと近くの天ぷら屋さんでごはん。昔ながらというか、昭和のままの空間がそこにはあって、とても居心地がよかった。天ぷらも刺し身も美味しかった。お酒はちょっとだけにした。やはり本の話はどこまでもおもしろい。さらにその道のプロが相手だとほんとうに学ぶことがたくさんあって、いろいろの話を聞いているだけでしあわせになる。もちろん他愛ない雑談もたのしいけれど。

二十一時過ぎに帰宅。仕事の連絡がきていることにようやく気づく。翌朝はゆっくりできると安心して布団にはいる。すぐ眠る。本の夢をみた。朝からずっとまる一日、本のことが頭をしめていたので、それはそうなるよね、という感じだった。

これから仕事も忙しくなる。「欅」のぶんをしっかり稼ぎながら、なんとか時間をつくって次作の準備もすこしずつ進めていきたい。