木曜荘

ものかきの日記

2022/07/04

昨日はプチパリオーナーの本の完成記念、説明会というか、製本に携わった職人さんたちを集めて、完成に至るまでのお話を深くほりさげてうかがうことができた。とても得難い貴重な時間だった。

使用された紙の生産が直後に終了となったり、製版屋さんが廃業直前の最後の仕事として請け負ってくれたり、その他おおくの「すべりこみセーフ」によって、奇跡的につくりあげられた一冊となった。

装幀もめずらしい豚革の表紙に、アンティークといってもいい見返し(屋号の由来にもなっているフランスの大昔の新聞紙をコピーではなく裏打ちして現物を使用、これがまた格好いい)など、こだわりがこれでもかと詰まっている。個性のかたまりだと感じた。

ぼくは本の外見にそこまで熱をいれることはない(まずそれだけの知識も経験もない)ので、驚きの連続だった。上製本は原価◯万だそうだ…。手元の三島の全集を売ってそれを購入しようか検討中…(苦笑)。

その後は「押上文庫」さんにて打ち上げ、ぼくも末席に参加。オペラの流れる落ち着いた雰囲気で、料理もどれも美味しかったし、長野の地酒を何種類か楽しんだ。酒宴というものはそんなに得意ではなく、むしろなるべく避けて通っているのだが、昨夜は楽しめた。本に関するお話はそこでもいろいろと聞くことができた。

ただ、当たり前だが就寝がおそくなったし、薬を飲む時間がかなりずれこんだのもあり、今朝は朦朧とするほど眠い。おまけに雨だ。なんとか気合を入れて乗り越えなければいけない。いっそ一日大雨なら休めちゃうのにな、という怠惰な考えがよぎる。休んだところで、振り替えられる予備日などないので、やるしかないのだが。

今週は雨の作業が続きそうだ。先週は猛暑に苦しめられたが、今週は雨か。まあいいや、やってやろうじゃないか。植木屋は天気との闘いの繰り返しだ。それもいい加減慣れたろう。とはいえ、外労働にはいろいろと煩わしい、厳しい季節に入ってしまった。今週もなんとかいい仕事をしていけるように、今日で体調をしっかり戻してやりたい。

 

ぼくの本は、昨日印刷屋さんにお願いした。その時点で印刷屋さん、けっこう酔っ払っていたので、ちゃんと覚えてくれているか心配だが(笑)まあ、いいや、ここまできて急ぐものでもなし。今月のうちには仕上がるだろう。