木曜荘

ものかきの日記

2023/03/20

今日は芝張り。家から十数分の距離の現場だが、今日は置場経由なので早めに起きた。

法面という斜面に張っていくので、竹でこさえられた串(目串)を挿していく。これがないとたやすく剥がれてしまう。げんのうでひたすら叩く。痛めた右腕が悲鳴をあげている。

砂利やごみをのぞきながら千鳥に張っていく。

新設の階段のわきだけ、きれいな芝生になる。

そのあとはここ。なかなかの勾配で、行き来するのにも難儀する。

天気もよく、気の合う相棒と二人、のんびりかつすみやかに仕事が進んでいく。幸いである、と感じる。

相棒はぼくの『楠』『欅』を読んでくれているので、帰り道そんな話をすこし、いや喋りすぎたくらい話した。昨日先生と会えたことなど話しているうちについつい熱くなってしまった。職場でこういう話をできるのは彼だけなので、いつもついつい喋りすぎてしまうのだった。

よき師、よき友に恵まれているぼくの人生。これ以上必要なものはなにもない。金は生活し、ほしい本や道具を買えるだけあればよいし、名誉などにも興味はない。誉れは仕事の仕上がりにあればよい。成功や名声など要らない。贅沢などなおのこと。

ただ今日より明日、一歩ずつ、この道を歩いていければそれでよい。