木曜荘

ものかきの日記

2022/04/10

植木屋はまだ閑散期、この時期に一週間仕事があることはとてもありがたいこと。

昔、ある会社で数年間ともに働いた人からの仕事だった。この業界で年間仕事を切らさずに、何人も従業員を抱えて現場をまわしている彼を尊敬する。出会った頃はまだ二十歳そこそこで、若さゆえのムラっけも見えた彼が、いまでは立派な社長だ。経てきた時間の濃度に差のあることを思わずにはいられない。自分は自分でしかないけれども。

 

茨城県まで片道1時間半の通勤にもなれた。墓地の工事は今週で山場をすべてのりこえ、あとは工期までに細かい仕事をいくつか残すのみとなった。当初は工期に間に合わないといっていた職長も安堵していて、手伝いにきた甲斐を感じた。ぼくはぼくで、工期と丸かぶりだった個展に足を運べるかもしれないので、それもまた嬉しい。

 

土曜の夕方、上りの国道はひどい渋滞だったが、なんとか帰宅が間に合ったので、曳舟のル・プチ・パリジャンで開かれたパフォーマンスを見に行った。詩人ルネさんの「劇朗読」だ。バリ島の民族楽器を使用したり、発声にもなにか新しさを感じられた。左右にあるきまわりながら、執拗に同じ箇所をくりかえし読むあたりでは酔うような感覚を味わった。催眠効果のようなものがあるのかも。プチパリに行くといつも自分の表現と向き合う時間をつくることができるので、こうして定期的に訪ねたい。

プチパリオーナーの書籍もそろそろ印刷が終わるところまで進んでいるらしい。早く読んでみたいという期待とともに、自分もしっかり書いていきたいという思いを確かめた。

 

「欅」は、あと一息というところで止まっている。締切をもうけないといつまでも完成しないような気がしてきたので、6月までにはなんとか仕上げようという目標をたててみた。本当に必要な場合はいくらでも延期はするけれど、一応。なので今月か遅くても5月にはひとまず「書き終え」たい。そのあとに「削る」作業が待っているからだ。

 

ということで、今日はとくに予定もない休日なので、これから書いてみようと思っている。