木曜荘

ものかきの日記

2022/08/22 蕾について

昨日は朝はやくに起きて、『蕾』の器づくりをはじめた。

書体や文字の大きさは前作『欅』と同様にそろえた。余白など気に入っているので。ただ「老眼なので読みづらい」というお声があったので、ちょっと小さいのかな、とも思っている。なので大きさはもしかしたら変えるかもしれない(たぶん変えない)(ごめんなさい)。

序文や跋は、詩歌を引用して代わりにすることにした。前田鉄之助の詩の一節である。あとがきなどで参加作家さんについて解説するなど、やはり野暮な気がする。似合わないと思う。作家について語るものは、やはり作品以上のものはなく、ぼくによる説明など蛇足だし、むしろ変な先入観をつくりかねない。作品をとにかく鑑賞してもらうのが一番であるので、余計な雑音になりかねないあとがきはよすことにした。

昨日で二人の作家さんの作品が、『蕾』の器におさまった。胸がときめいている。オンボロPCは唸っている。そのPCの最後の仕事が、この『蕾』第一号になると思われる。うんうん唸りながらも、なんとか働いてくれている。製本代のこともあるので、なんとか持ちこたえてほしいと思っているが、どうなるだろうか。

『楠』の器をつくるときは、先生の本を参考にした。『欅』はそれを引き続き使用した。いちおう連作だったので。『蕾』はそれをガラリと変えることにした。参考にしている書籍はまた別のもの。寄せていただいた作品からうける印象によって、器の姿も変わるだろう。しっかりと受け止めて、形にしたいと思っている。

あとは、書き直しはじめたぼくも含めて、四人である。原稿が届いたときはもちろん、待っていることさえ楽しく、これはやばい、くせになりそうだ。

詞華集『蕾』は、ぼくが死ぬまで(その前に飽きたりしなければ)つづけていきたいと思っている。これからつくる作品はすべてこの器におさめていきたいとも思っている。おさまらない長さになれば、また別に器をつくる可能性はあるけれど。なので、これがとても楽しいことでよかった。これならば一生楽しめると感じている。

一年に一冊、上梓できたら最高だなと思いつつ、製本代が揃わなければ、あるいは作品がうみだせなければ、出せない年もあることだろうけれど、いちおうの目標としたい。

とにかく今は第一号である。これに夢中。まるで恋。書き上がったと思い込んでいたものは反故にしてしまったので、まず書かなくては。もしかしたらぼく自身の作品が一番遅くに仕上がるかもしれない…。それで上梓が遅れてはめんぼくないので、しっかりと時間を確保しようと思っている。

今日はこれから仕事までのあいだ、書いていこうと思っている。